IMPOV::In My Point Of View

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ペンギンアップデートのペナルティから復活するのに2ヶ月かかった話

私はウェブマーケティング関連の仕事も一部しているのだが、一昨年のパンダアップデートや昨年のペンギンアップデートでは特に大きなダメージを受けたことが無かった。

逆に上位競合サイトが1枚目から追放されたお陰で、ビッグワードで5位以内を取れるという恩恵を受けたクチだ。

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ペンギンの地雷を踏んだサイトの背景

さて、そんな感じでドヤ顔をしていた昨年の初夏、ある大手企業の新商品開発に参加することとなった。発売予定はその時点から1年余先の今年(2013年)の夏ごろということだ。

この新商品のウェブマーケティングを私達が引き受けるのは既定路線だったので、手弁当でテストマーケティングをしてみることにした。競合商品を並べた比較サイトを新規に立ち上げ、色々と実験しながらデータを取ることにしたのだ。

この新サイトで、仮にロングテールキーワードで、また、あわよくばビッグワードでも検索上位を取れれば、新商品発売時に強力なサポートサイトとして利用できそうだ。最悪の場合、順位がつかなかったとしても、外部対策用にキープしておけばいいだろうと考えたわけだ。

好調なすべり出し

サイトはブログ形式で立ち上げを行い、平均して2,000文字程度の記事を5本ほど用意した。

Googleにインデックスされ始めた頃を見計らい、追加の記事を5本ほど数日間隔でアップしていく方法を取った。

この際に、はてなブックマークNAVERまとめ、Twitterなどを使用した対策を断続的に行った。これらには、スパム行為や厳しく見ればステマにあたりそうな行為も含まれている。

方法論の是非はともかくとして、結果としてそれなりの数の被リンクを稼ぐことに成功し、それらの対策を行う時間帯や、この分野における感応度などをつかむことができた。

また、外部対策として、個人で5年以上運営していた複数のブログ(ドメインは無料ブログ系)計4サイト(記事数にして計800記事ほど)を利用し、タイミングを見ながら自演被リンクを増やしていった。

このサイトの対策については、お客さまのサイトではないのと、成功が義務付けられている商業サイトでもないので、普段できないことをやりたい放題やってみようという方針で進めていった。

サイト立ち上げから2週間が経過した頃、対策対象の複数のミドルワードで3ページ目から5ページ目(20~40位台)に初登場。検索による流入がチラホラと入り始めた。

さらに2ヶ月が経過した頃、やはり複数のミドルワードの順位がほぼ同時に順位をあげ、そのうちの一部はギリギリ1ページ目の10位にランクインされた。

検索流入も5~6倍程度に増え、当初予想よりも順調なすべり出しだ。

ペンギン襲来、三日天下の上位表示

 それからおよそ3週間後の10月1日、一部のミドルワードが6位まで上昇、それ以外の対策ワードについても軒並み順位を上げ、10位以内にランクインした対策ワードは7組にまで増加。サイト開設から3ヶ月余りでの上位奪取に鼻息が荒くなる。

ところが、わずか4日後の2012年10月5日、ペンギンアップデート3が襲来した。すべての検索ワードで100位以下に落とされ、検索流入は0に落ち込んでしまった。文字通り三日天下である。

以下は、GRCで取得していた検索順位グラフだ。

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ペンギンアップデート対策

 前述のとおり、現時点では収益目的のサイトではなく、お客さまから預かったサイトでもないので実害はまったく無かったが、いい気になったタイミングでの「Google八分」は精神的にダメージが大きかった。

一方で、ペンギン被害にあうことなどなかなか経験できることではない(もちろん、すすんで経験したくはない)ので、ペナルティからの復活実験をしようと目的を変更することにした。

まずは、ウェブマスターツールで状況を確認。警告メセージは来ていない。インデックスも削除されていない。

サイトにアップしてきた記事の内容と文章量や内部対策については問題ないとの自信があったので、おそらくリンクビルディングの問題であろうと見当をつけた。

そこで、サイトのテキストやレイアウトは一切変更せず、新しい記事の追加も行わずに、外部に張った自演リンクをはがすことにしたのだ。

同一アンカーテキストのスパム判定には閾値がある?

実際には、ある一つのアンカーテキストについて、自分が管理する単一のドメインから大量に張っていたリンクをはがすことにしたのだ。

もともとこれらのリンクを張る際に、その他のドメインから張られているリンクの合計数を超えないように、すなわち全体の50%を超えない範囲で張ってきていたのだが、これを25%以下になるようにリンクをはがして見ることにしたのだ。何か正確な情報があって行ったわけではない。あてずっぽうだ。

海外サイトの記事などでは10%が閾値ではないかとの書き込みも見られたのだが、とりあえず25%から実験してみることにしたのだ。

この状態で放置して2ヶ月余たった12月中旬、いきなり6位に復活。無事に検索流入も増加し、むしろペナルティを受ける前よりも順位が上がっており、現在に至るまで安定して4位~6位をウロウロしている。

果たして、10%が正しいのか25%で問題が無いのか、真実はGoogle様にしかわからない。そもそも、同一アンカーテキストの量を閾値としているかどうかも不明だ。

指標についても、「同一アンカーテキストの数/すべての被リンク数」なのか、「任意の一つのドメインから張られた同一アンカーテキストの数/同一アンカーテキストの数」なのか、またはそれ以外の指標なのか、まったくわからない。

いずれにしろ、コンテンツがオリジナルで十分なテキスト量があれば、ベタな外部対策を行わない方が良さそうだということが教訓として残った。また、一部の自演リンクはまだ残っているのだが、順位が戻った現時点ではこれを外す勇気が無い。

ペンギン/パンダアップデートで復活は誤認?

 ウェブで検索を行うと、ペナルティを受けたサイトが復活した記事を何件も見つけることができるが、そのうち何本かの記事で、過剰な最適化を修正した後のパンダアップデートで順位が復活したとの記述があった。

真偽の程はわからないが、前述の経験からすると、ペナルティからの復活とペンギン/パンダアップデートの実施タイミングとは関連性が無さそうだ。

以下は、Panguinで調べたアップデートと検索流入数とのグラフだ。

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ちなみに、週単位の表示にしたため、影響が出ているタイミングが若干ずれて見えるが、検索流入が激減したのは間違いなくペンギンアップデートの影響である。そしてこれを見る限り、件のサイトの復活は、パンダアップデートやペンギンアップデートとはまったく無関係であったように見える。

おそらくパンダで復活したと言っているサイトは、たまたまタイミングが重なったケースなのではないだろうか。